

IPFSはアメリカの企業(Protocol Labs)が開発した分散管理ファイルシステムです。IPFSは「InterPlanetary File System」の略称で、日本語では惑星間ファイルシステムと訳すことができます。私たちが普段利用しているインターネットのURLは「https」から始まっており、ロケーション型プロトコルと呼ばれています。この技術は様々な問題を抱えており、まず1つ目に、サーバーの管理者に大きな負担が生じていることです。
例えば交友関係や日々の行動などがfacebookに莫大なデータとして蓄積され管理されています。facebookは私的企業であり、彼らの裁量でアクセス制限を自由にかけることが可能です。
自分自身の生み出した様々なデータがfacebookによって改ざんや
アクセス制限、不正利用されないと信用した上で我々は利用して
います。しかし、facebookが個人データを不正利用し、米大統
領戦に利用していたことは大きなニュースになってしまいました。
個人データへのアクセス制限はfacebookのような企業だけでなく、国家によって行われることがあります。LINEやGmailが中国で利用できなかったり、Tiktokがアメリカ国内での利用禁止が検討されているがその例です。これはそもそも現在のインターネットの情報へのアクセス方法が「場所」を指定する仕組みになっているから起こるのです。
このような問題を根本的に解決する為にIPFSではコンテンツ指向型プロトコルを応用しています。例えば、1枚の写真はバラバラにされ、1つサーバー内ではなく、世界のあらゆる場所で保管されます。
概念としては「どこ」ではなく、「どれ」で情報にアクセスします。
よって、IPFSには以下のようなメリットが生じます。
・耐障害性
1箇所にデータを保管しないので、同時に大量のアクセスが発生して、あるサーバーがダウンしても、他のサーバーにある同じデータにアクセスすることができます。
・負荷分散
利用者からより近いサーバからデータを取得することになるので、一つのサーバーに負荷が集中することを防ぐことが可能になります。
・耐検閲性
データの管理権限が一極集中しないので、保管側の裁量でデータへのアクセスを制限されることがなくなります。
・耐改ざん性
ハッシュ関数を用いてデータを暗号化するので、改善は不可能に近くなります。
今後、Iot、AI、5Gなどの発達によりデータ量が指数関数的に増大していく中で、また更にパンデミックがデジタル社会への必要性を後押ししているように、データの取り扱い方法には解決策が求められています。
IPFSを利用したサービスはすでに存在しています。動画共有サイトや、チャットアプリも存在します。動画配信大手のNETFLIXもIPFSの可能性を見出し、技術提携も行っています。下はIPFSのカオスマップです。



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